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2025/06/10

商品券の"使われ方"から読み解く購買心理と行動傾向
「自由に使ってください」と手渡される商品券。現金とは違う"特別なお金"としての位置づけは、消費者の心理や行動にどんな影響を与えているのでしょうか?
今回は、商品券の使い道や使われ方から見えてくる購買心理や行動傾向を深掘りしていきます。

◎"ご褒美買い"に商品券が使われやすい理由

多くの人が商品券を使うシーンとして多いのが、「普段なら買わないもの」の購入です。たとえば、
・高級スイーツ
・ブランドの化粧品
・ちょっと贅沢なランチ

これらは、いわゆる**"自己投資"や"ご褒美買い"**に該当します。現金だとためらってしまうような支出でも、「いただきもの」や「使わないと損」といった心理が働くことで、満足度の高い消費体験へとつながります。

◎"限定的"だからこそ購買行動が具体化する

商品券は使える店舗やカテゴリが決まっていることが多く、選択肢が自然と絞られます。これにより、「どこで使おうか」と迷う時間が減り、目的性の高い購買行動が促されるのです。

また、「〇〇店専用商品券」のような限定的な金券は、その店を訪れるきっかけになり、新規顧客の獲得にもつながります。企業側にとっても、商品券は単なる販促ツールにとどまらないリピート戦略の一部として機能しています。

◎金額によって変わる"使い方の傾向"

商品券の金額も消費行動に影響を与えます。
・1,000円前後の少額券 → コンビニや日用品などの"日常消費"に使用
・5,000円以上の高額券 → 外食、アパレル、家電など"非日常消費"に使用

つまり、金額が高いほど「特別な買い物」志向が強くなる傾向があります。

◎"忘れられるお金"が生む行動経済学的側面

一方で、「もったいなくて使えない」「存在を忘れてしまう」といった声も少なくありません。これは行動経済学でいう"メンタルアカウンティング(心の会計)"の影響で、人は手元にある現金と"ギフトのような金券"を別物として扱う傾向があるからです。

その結果、商品券は財布にしまわれたまま期限切れになるケースもあり、これは企業にとっては実質的な利益となる側面もあるのです。

◆まとめ:商品券は"消費の鏡"として使えるマーケティングツール

商品券は単なる金券ではなく、消費者の意思決定・選択行動・満足感といった購買心理を映し出す「消費の鏡」とも言える存在です。
今後、商品券の発行や販促に携わる方は、こうした心理的要素を理解したうえで、金額・用途・デザイン・使用期限などを工夫することが、より効果的な活用につながるでしょう。